因数分解の秘密

中学校で習う因数分解。あれって不思議ですよね。6を2×3の形にするのが素因数分解。文字式なら、cをa×bにするのかと思いきや、なぜかいきなり(x+a)や(a+b)という足し算の形が出てくる。式をかけ算の形にしようといいながらなぜ足し算が出てくるのか?

 

そもそも、なぜかけ算の形にするかと言われたら、それは因数分解の次にする、2次方程式や2次関数まで進まないとそのありがたみも分からないのだけど。それはおいといて。

 

因数分解で最初にするのは、共通因数でくくること、たとえば、ab+acをa(b+c)と書き直すことができる。でも、それとx^2+2x+1を(x+1)^2にするのは何か違うことをやっているような気がしませんか?(^2は2乗の記号)

 

a(b+c)も(x+1)^2も確かにかけ算の形にはなっている。でも、最初のはすべての項に共通な因数をくくりだしているのだからかけ算の形になるのは当然。でも、二番目のは公式を使っていると分かっていても、すべての項に共通な因数がないのになぜかけ算の形にできるのでしょうか?

 

ここでac+ad+bc+cdを公式を使わないで因数分解するときのことを考えてみましょう。まずは、aの付いている項をくくってa(c+d)+bc+cdとなり、さらに、残りの項をcでくくればa(c+d)+b(c+d)になります。

 

全体をさらに(c+d)でくくって(a+b)(c+d)になります。

 

大事なのは最後のところです。全体を(c+d)でくくれるとは、aもbも(c+d)を共通因数に持つということなのです。さらに同じように考えるとcもdも実は(a+b)を共通因数に持っているということだったのです。

 

つまり、ab+acの場合には、bやcという個々の文字が共通因数を持っていたのに対して、(x+1)^2や(a+b)(c+d)の場合にはx+1やa+bが共通因数を持っていると考えられるのです。

 

以上のことから最初の問いであった因数分解で足し算の因数が出てくる理由も分かります。二つが同列に出てくるのは気持ち悪いかもしれませんが、本当は数を表しているので、一文字の因数と同じことなのです。たとえば、4も2+2も数学的には同じ数を表していますよね。これと同じことなんですね。